肌の角質層(角層)にある「ラメラ構造」をご存知ですか?
ラメラ構造とはミルフィーユのように水分層と油分層が積み重なった構造を指し、肌の水分量を保ったり、紫外線などの外的刺激から肌を保護したりする役割を担っています。
つまり、美肌を目指す上でラメラ構造を整えることは非常に重要なのです。
この記事ではラメラ構造が壊れてしまった場合の影響やラメラ構造が乱れる原因、改善方法について取り上げていきます。
そもそもラメラ構造ってなに?
ラメラ構造とは、肌表面の角質層にある細胞間脂質の名称です。「ラメラ」は「層状」を意味する言葉で、英語では「ラメラストラクチャー(液晶構造)」とも呼ばれます。
私たちの皮膚を守ってくれるのは、「角質層」と呼ばれる表皮です。角質層はわずか0.02mmの厚さしかありませんが、紫外線や乾燥をはじめとするさまざまなダメージを防いでくれるバリア機能を備えています。
皮膚の表面は「基底層・有棘層・顆粒層・角質層」の4つの層から成り立ちます。もっとも内側にある基底層では、基底細胞によって新たな表皮細胞が生まれ、どんどん上に押し上げられていきます。これがターンオーバーと呼ばれる現象で、肌の生まれ変わりを促してくれます。
そして一番外側にある角質層は肌を外的刺激から守る役目を担っています。角質細胞と細胞間脂質で成り立っている角質層の中でも、バリア機能の主役となっているのが、水分と油分が層になったラメラ構造なのです。
私たちは普段、化粧水で水分、乳液などの保湿クリームで油分を補給して肌を整えていまが、ラメラ構造が整った肌には、すでに天然の水分層・油分層が備わっているのです。
ラメラ構造こそが健康的な肌を保つための重要な要素といえます。
ラメラ構造が壊れてしまうとどうなるの?
熱すぎるお湯を使って肌を洗ったり、強くこすって摩擦ダメージを与えたりしてしまうと、ラメラ構造が壊れてしまうことがあります。すると水分が蒸発して乾燥したり、紫外線が肌内部まで届いたりと、肌にダメージを与えてしまうことになります。
ラメラ構造が壊れるとと、どのような悪影響が出てくるのかをみていきましょう。
乾燥が悪化
ラメラ構造は水分と油分が折り重なり、肌の水分が蒸発するのを防ぐ働きがあります。なので、ラメラ構造が崩れてしまうと、水分が蒸発しやすくなり乾燥肌を招いてしまいます。
もともと乾燥肌タイプの人は、さらに乾燥が加速するので注意が必要です。
外部刺激に弱くなる
ラメラ構造は乾燥だけでなく、紫外線などの外部刺激からも肌を守ってくれます。
ラメラ構造のバランスが失われれば、シワやシミの原因になったり、弾力不足や毛穴の開きの原因になったりする可能性もあるため、注意が必要です。
ラメラ構造が乱れる原因
美肌を守るために重要な役割を果たしているラメラ構造。そんなラメラ構造は非常にデリケートなため、ちょっとした刺激で水分と油分のバランスが崩れてしまいます。
では、どのような原因でラメラ構造はバランスを崩してしまうのでしょうか?普段やってしまいがちなNG行動を4つご紹介します。
適切でない温度での洗顔
まずひとつ目は、適切でない温度で洗顔してしまうこと。
特に熱すぎるお湯を使うとラメラ構造の油分が流れ落ちてしまい、ラメラ構造のバランスが崩れます。洗顔はなるべく低めの温度で行いましょう。
摩擦を与える
クレンジングや洗顔の際に、必要以上に強い力で肌をこすってしまうと、ラメラ構造を傷つける原因になります。
特にデリケートな顔の肌は、摩擦をおこさないよう、よく泡立てた泡でなでるように洗いましょう。
顔を濡れたまま放置してしまう
肌を洗った後、タオルでしっかり水分を取り除かずに放置してしまうと、ラメラ構造が緩んだ状態が続いてしまいます。すると肌は余分な水分を蒸発させようと、水分を蒸発させ乾燥肌を招きます。
洗顔後は、清潔なタオルで水分を優しく拭き取るようにしましょう。
界面活性剤が配合された化粧品の使用
化粧品の品質を維持するために「界面活性剤」という物質が使われることがあります。
これは洗剤にも用いられる洗浄力の強い成分で、ラメラ構造の油分を洗い流してしまう可能性があります。
界面活性剤にも種類があり一概に悪いとはいえませんが、なるべく避けた方が望ましいでしょう。
ラメラ構造を整えるためのポイント
洗顔方法や化粧品選びを誤ると、ラメラ構造を壊して肌の保護機能を失ってしまう原因になります。
ただし壊れてしまったラメラ構造も、適切な対処をすれば回復することが可能です。
ラメラ構造を修復し、正常な状態を保つためにはどのような対策を取るべきなのかをご紹介していきます。
グルコシルセラミドを含む食材を摂取する
「グルコシルセラミド」と呼ばれる成分を多く含む食物を摂取すると、肌のバリア機能を構築する「セラミド」の原料となり、健康的なラメラ構造を作る助けになってくれます。
別名「スフィンゴ糖脂質」とも呼ばれるこの成分は、次のような食材に多く含まれます。
- ごぼう
- わかめなどの海藻類
- 黒ゴマ
- そば
- こんにゃく
- 米
特に昆布、のり、ひじきなどの海藻類は、食物繊維が豊富でミネラルも多く含む食材です。
青魚などに含まれるEPAという良質な脂肪酸も摂取できるため、積極的に食事メニューに取り入れたいところです。
外部刺激を減らす
肌への摩擦や紫外線は、ラメラ構造を壊す原因になります。これらの刺激を避けることができれば、肌への物理的なダメージが軽減されラメラ構造の修復が進むことになります。
具体的には、普段の洗顔やスキンケアの見直しが重要です。
たとえばクレンジングや洗顔の際には、適切な温度のお湯を使い、日頃からしっかりと日焼け止めを塗る。強くこする洗い方をやめて、肌を傷つけない洗顔方法を実践するといった対策が効果的です。
自分に合ったスキンケア商品を使用する
ラメラ構造を整えるために重要なのは、自分にあったスキンケア商品を使用すること。
敏感肌なのに刺激の強いスキンケア商品を使用していたり、乾燥肌なのに低保湿のスキンケア商品を使用していると、どんどんラメラ構造は壊れていきます。
まずは、自分の肌質を知ることが大切です。
デパートのコスメカウンターなどでも無料で肌診断をおこなっておりますので、本当に自分にあったスキンケア商品を使用できてるのか確認してみてください。
まとめ
ラメラ構造は角質層内部にある水分・油分が重なった層で、肌のバリア機能を担う重要な働きをしています。
しかし、ラメラ構造は熱いお湯や強い摩擦などで簡単に壊れてしまうのです。
美肌を保つためにも、外部からの刺激を避けること、ラメラ構造の修復に役立つ食材や化粧品を用いることが重要です。
まずは毎日のスキンケアを見直し、洗顔方法の改善や紫外線対策など簡単なことから取り入れてみてくださいね。