私たちの肌には、約1,000種類以上の菌が存在しているといわれています。
「え、そんなに菌まみれなの?」と思う人もいるかもしれませんが、菌といっても悪いものばかりではなく、美肌を保つ上で重要な働きをしてくれる「美肌菌」も皮膚常在菌のひとつです。
今回記事では、美肌に導く重要な働きをする「美肌菌」に着目し、美肌菌の効果と、美肌菌を増やす方法、そして今話題のヨーグルトパックについてご紹介していきます。
美肌菌とは
私たちの肌に住み着いている微生物のことを、「皮膚常在菌」と呼びます。
皮膚常在菌には「アクネ菌」「黄色ブドウ球菌」「表皮ブドウ球菌」などがありますが、中でも角質層に住んでいる表皮ブドウ球菌のことを通称「美肌菌」と呼びます。
美肌菌はその名前の通り、美肌を保つのに欠かせない働きをしてくれる皮膚常在菌です。具体的には、肌の表面に住み着いて汗や皮脂を食べ、保湿成分である「グリセリン」を生成する性質を持ちます。
グリセリンは肌をしっとりきめ細やかなものにしてくれる弱酸性の成分です。つまり美肌菌が増えて活性化すればするほど、美肌を保ちやすくなるということなのです。
逆に美肌菌が減少すると皮膚の水分量が低下し、乾燥肌を引き起こします。すると肌の状態が悪くなり、肌トラブルが起こる可能性が高まってしまうのです。
美肌を目指す上で、美肌菌とうまく付き合い、その恩恵を受けることが非常に重要なのです。
美肌菌の効果
肌に良い影響を与えてくれる美肌菌。その数が増えると、私たちの肌には大きな変化がみられるようになります。
ここでは、美肌菌の実際の効果についてご紹介します。
・肌が潤う
美肌菌は天然の潤い成分を生み出してくれるので、化粧水などを使わなくてもしっとりした肌が手に入るようになります。肌のバリア機能も整い、乾燥や外部刺激から肌を守ってくれる効果も期待できます。
・キメが整う
肌が潤うことによって肌のキメも整い、美しい肌へと変わります。引き締まったつるっとした肌に見えるので、実年齢よりも若くみられることも多くなるでしょう。
・透明感がうまれる
潤いある肌は光を多く反射するため、肌が明るく輝いて見えるようになります。透明感ある肌が手に入り、周りから「肌が綺麗だね」と褒められることも増えるはずです。
・肌トラブルが改善
肌に住む常在菌には、善玉菌と悪玉菌、日和見菌の3種類がいます。美肌菌は善玉菌のことを指し、肌にとって悪い影響を与える悪玉菌の数を減らす作用があります。
悪玉菌が減れば肌トラブルが改善され、かゆみや炎症が治まったり、ニキビができにくくなったりします。
美肌菌を増やす方法
肌にとって素晴らしい働きをしてくれる美肌菌。その数を増やしてより活性化してもらうためには、どのような生活習慣を送るべきなのでしょうか?
どれも簡単なものなので、ぜひ日々の生活に取り入れてみてくださいね。
汗をかく
美肌菌は肌から分泌される汗や皮脂をエサとするため、汗をかく機会が多いほど美肌菌が増加します。
特にメイクを落としたお風呂上がりの運動がおすすめです。眠っている間に美肌菌が汗をエサに保湿因子を生み出し潤った理想的なお肌に生まれ変わります。
十分な睡眠
質の高い睡眠をしっかり取ることにより、成長ホルモンがしっかり分泌します。すると、肌の油分と水分のバランスが整い美肌菌にとって心地よい肌環境になるのです。
肌のゴールデンタイムといわれる夜10時〜深夜2時の間にはできるだけ就寝するようにしましょう。
ストレスを溜めない
よく「ストレスは肌の敵」と言われますが、美肌菌にとってもストレスは大敵です。ストレスは美肌菌が減少する原因になり、肌に悪影響を与えていまします。
あたたかいお風呂でリラックスしたり、リフレッシュする時間をつくったり、自分だけのストレス解消法をみつけてみてください。
洗い過ぎない
美肌菌は洗顔や過剰なスキンケアにより、簡単に減少してしまいます。洗顔は皮脂や汚れを落とす程度にとどめ、過剰なスキンケアはしないようにしましょう。
よっぽど皮脂が過剰でない限り、洗顔料を使用しての洗顔は夜のみで問題ありません。朝はぬるま湯ですすぐ程度にとどめることで、美肌菌にとって心地よい肌環境が整います。
乳酸菌やオリゴ糖配合化粧品を使用する
化粧品を選ぶ際には、乳酸菌やオリゴ糖が配合されたものを選びましょう。
乳酸菌やオリゴ糖は美肌菌のエサとなり、美肌菌を増やす作用があります。生活習慣で美肌菌を増やすことも可能ですが、毎日のスキンケアで外から美肌菌に働きかけることで効率的に美肌菌を増やすことができます。
NHKでも紹介された美肌菌を増やすヨーグルトパックとは
家にあるもので手軽に美肌菌ケアしたい!という方におすすめなのが「ヨーグルトパック」です。
美肌菌を増やすスペシャルケアとして、ヨーグルトに含まれる「ビフィズス菌」の力を活用した「ヨーグルトパック」は、NHKでも紹介され話題になりました。
ヨーグルトパックの効果とやり方について解説します。
ヨーグルトパックの効果
ヨーグルトパックは、ビフィズス菌がつくる「ホエイ」を使った最新スキンケア方法です。
ヨーグルトのパッケージを開封すると、上の方に液体が溜まっていることがよくあります。この液体が「ホエイ液」と呼ばれるもので、美肌菌を増やす効果が期待できます。
ヨーグルトには腸内フローラを増やして腸内環境を整える整腸作用もありますが、実は健康効果のみならず角質ケアにも役立つ優れた食材なのです。
ちなみに、2週間ヨーグルトパックを使い続けることで、美肌菌の数が1.5倍になったという報告もあります。
ホエイ液は乳酸菌由来の成分が凝縮されている液体なので、その効果を感じやすいのです。
ヨーグルトパックの作り方
ヨーグルトパックを作るために必要な物は、次の2つ。
- ビフィズス菌が配合された、無糖タイプのヨーグルト(低脂肪タイプはNG)
- 市販されているドライタイプのフェイスパックシート
作り方は以下の通りです。
- ホエイ液をヨーグルトの容器から取り出す
- 取り出したホエイ液にフェイスパックシートを浸して吸収させる
- シートを顔に貼り付けて10分ほどパックする
- ぬるま湯で洗い流す
稀に、ホエイ液が肌質に合わない人もいるので、事前に皮膚につけてみて異常がないかテストするようにしてください。
1回あたり10分、これを週に2回ほど続けるのがおすすめです。
また、素肌でいる時間を増やしたり、洗顔やクレンジングの回数を控えめにして、美肌菌にとって居心地の良い肌環境をつくることで、さらなる美肌が目指せますよ。
まとめ
美肌菌は私たちの肌に住み着いている常在菌の一種で、肌にとって良い働きをしてくれる微生物です。
美肌菌の働きにより肌が潤い、肌トラブルのない理想的なお肌が整います。
美肌菌を増やすためには、過剰な洗浄を避け、適正なスキンケアを行うこと、生活習慣を整えストレスを溜めないことが重要です。
さらに、美肌菌に着目した化粧品やヨーグルトパックを活用することによって、効率的に美肌菌を増やすことができます。
肌トラブルに悩まれている人は、ぜひ試してみてくださいね。